突然ですが、みなさんはMeta QuestでVRChatを遊んだことはありますか?
ゲーミングPCがなくても単体で遊べるのがMeta Questの魅力。ただ、普段からPC版で遊んでいると、Quest向けアバターの準備はつい後回しになりがちです。
特につまずきやすいのが、普段使っているPC用アバターをQuest対応する方法。PC版とQuest版では、使えるシェーダーや容量の上限などが異なります。
この記事では、PC用アバターをQuest/Android向けに調整し、同じアバターとしてアップロードするまでの流れを順番に紹介します!
最初に知っておきたいQuest用アバターの制限
Quest対応のアバターをアップロードするには、まず以下の条件を確認しておきましょう。
Android側の制限を満たしていないアバターは、そのままQuestユーザーへ表示できません。
PC版しか用意されていない場合は、設定や状況に応じてImpostor(簡易表示)やFallbackアバターが表示されます。

これを知らずにそのままVRCをプレイしていると、PCでは美少女としてキャッキャウフフしているのに、Questユーザーから見るとおじさん同士がイチャコラセッセしてるようにしか見えない、見るに堪えない状況になり得るわけです…。


こんなのあんまりダァ…!
これの何が怖いって、使っている本人はQuestの姿を確認することが出来ない為、Fallbackアバターをちゃんと設定しておかないとこの異常事態に気付けないことなんですよね…!
おじさん同士のいちゃいちゃが好きな人には最高のシチュエーションかもしれませんが、多分ほとんどの人はそんなの見たくないはず…。
そんな惨事を防ぐ為に、Quest対応アバターのサムネイルには『PC対応』と『Quest対応』のアイコンが表示されるようになっています。

PCとQuest対応の両方のアイコンが表示されているアバターであれば、Quest版のVRChatでも設定次第で同じような見た目で表示することが可能になります。
アップロード出来てもしっかり表示される訳ではない
上の条件を満たせばアップロードできますが、それだけでQuest上にしっかり表示されるとは限りません。
PC用アバターを最低限だけ変換すると、パフォーマンスランク(アバターの負荷評価)が「Very Poor」になることもあります。
表示されやすいアバターを目指すなら、テクスチャの圧縮、不要なオブジェクトの削除、マテリアルやメッシュの整理なども必要です。
Questユーザーにそのまま表示してもらいやすくするなら、できるだけ「Medium」以上(Medium・Good・Excellent)の負荷評価を目標にしましょう。難しい場合でも、SDKの警告を確認しながら負荷の大きい項目から減らしていけば大丈夫です。

負荷評価が重いアバターは、相手のセーフティ設定によって非表示になることがあります。その場合は「Show Avatar」を押してもらう必要があります。
PC用アバターをQuest対応する5つの手順
ここからは、実際の作業を5つに分けて進めます。先に全体の流れを確認しておきましょう。
現在はVCC(VRChat Creator Companion)とVRChat SDKのBuildパネルから、Android向けの設定やアップロードを行えます。
①Quest向けの制作環境を準備する

まず、Unity上部のメニューから「File」→「Build Settings」を開きます。

Platform欄から「Android」を選択します。初回ではAndroid向けの機能が入っていないため、この画面からUnity Hubを開いて「Android Build Support」を押して機能をインストールしましょう。

右下の「継続する」を押して、インストールが完了するのを待ちます。Android Build Supportのインストールが終わったら、Unityを再起動します。

もう一度「File」→「Build Settings」を開き、Androidを選んで「Switch Platform」を押します。初回はAndroid向けにアセットを変換するため、完了まで少し待ちましょう。
以降、アップロードする対象の切り替えはVRChat SDKのBuildパネルから行えます。
②PC用アバターを複製して作業する
Androidへの切り替えが終わったら、BOOTHなどで販売・配布されているPC向けアバターをUnityのHierarchyへ配置します。
元のPC版をそのまま軽量化すると戻すのが大変なので、先にアバターを複製し、Quest用のコピーを編集するのがおすすめです。
Androidへ切り替えた直後にマテリアルがピンク色や真っ黒に見えても、次の手順でMobile対応シェーダーへ変更するので慌てなくて大丈夫です。
③シェーダーと非対応機能をQuest向けに調整する
続いて、PC向けのシェーダーやコンポーネントを、Questで使える構成へ調整します。
Quest/Android向けアバターでは、基本的にVRChat SDKに含まれる「VRChat」→「Mobile」のシェーダーを使用します。
一般的には、SDKに含まれる「Toon Standard」や「Toon Lit」などを使用します。見た目だけでなく、Quest上での負荷も確認しながら選びましょう。
アバターに使われているマテリアルを選び、Inspectorにある「Shader(見た目を決める設定)」から変更します。

注意点としては、PC向けシェーダーの透過設定をQuest版でそのまま再現できないこと。表情用のテクスチャなどに透明部分があると、塗りつぶされたり表示が変わったりする場合があります。
その場合は、透過を使わないQuest用の表情へ変更するなど、実際の表示を確認しながら調整してください。
服や髪などに透明・半透明の部分がある場合も、同じように見た目が変わることがあります。
また、使用するモバイル対応シェーダーによっては、衣装などの裏面が表示されないことがあります。Quest実機でも見た目を確認しておきましょう。
④容量とアバターの負荷を調整する
Android向けアバターは、ダウンロードサイズ10MB・展開後サイズ40MBが上限です。SDKのビルド結果にもサイズと上限が表示されます。
容量上限を下回っていても、ポリゴン数・マテリアル数・PhysBoneなどが多いと負荷評価は下がります。容量と負荷評価は別々に確認しましょう。
まずはテクスチャサイズを下げて、不要なアクセサリーや見えないパーツを削除するのが分かりやすいです。必要に応じてマテリアルやメッシュも整理します。
手軽に軽量化を目指すなら、アバター全体の不要なデータやメッシュ統合などを行う自動軽量化機能の「AAO Trace And Optimize」のコンポーネントを追加しておくと、とりあえず40MB以下にはできる事が多いです。詳細はこちらの記事で簡単に追加できます。
いきなり完璧を目指さず、SDKで一度ビルドして、容量や警告を確認しながら重い部分を減らしていくと進めやすいですよー!
また、Missing Scriptなどの壊れたコンポーネントが残っている場合は、アップロード前に削除しておきましょう。
BOOTHで配布されている『Missing Remover』は、missingの項目を一括で削除してくれる優れもの。面倒な方はこちらを使用するのもオススメです!
⑤Questで動作確認してアップロードする
VRChat SDKのBuilderを開き、PlatformがAndroidになっていることを確認します。テストで問題がなければ、「Build & Publish(アップロード)」へ進みましょう。

PC版とAndroid版は、同じBlueprint IDへ紐づけてアップロードすることでクロスプラットフォームアバターとして扱われます。
VRChat SDKのBuildパネルにあるPlatform欄では、「Windows」と「Android」を切り替えられます。SDKのバージョンによっては、両方を選んでまとめてアップロードすることもできます。
Windows版とAndroid版は、まったく同じ見た目にする必要はありません。例えばPCでは通常版、Questでは軽量化した別モデルを表示することもできます。
PCでしか遊ばない方でもパブリック等でQuestユーザーさんと出会う機会はありますので、変な誤解を生まないためにもQuest対応アバターを一体は用意しておくことをオススメします!

Twitterでよく見るあの人が、実はおじさんアバター同士でイチャイチャしていたなんて思われないためにも是非実装してみてくださいね!(笑)
Quest対応が難しいときはFallbackアバターも選択肢
PC用アバターをすぐQuest対応できない場合は、Fallbackアバターを設定する方法もあります。
Fallbackは、PC版アバターを表示できないユーザーに代わりの軽量アバターを見せる仕組みです。現在はImpostor(簡易表示)が使われる場合もありますが、Fallbackも引き続き選択肢になります。メインアバターそのものをQuest対応する方法とは別なので、用途に合わせて使い分けましょう。
自分でFallbackアバターをアップロードするには、総合的なパフォーマンスランクを「Good」以上にする必要があります。1万ポリゴン以内はGood評価の条件の一つですが、マテリアル数やPhysBoneなど、ほかの項目も基準を満たす必要があります。
元のアバターによってはしっかり軽量化する必要がありますが、専用の軽量モデルを用意する方法もあります。余裕があれば、ぜひチャレンジしてみてください!



































こはよー!桜乃こはくです!🌸