着せ替え用ツール「Radial Inventory System」をご紹介してから、あっという間に3年が経ちましたね。
この間、VRChatの改変ツールもどんどん進化していて、最近ではFXレイヤーをいじらずにアバターを改変できるModularAvatar対応のツールが人気を集めています!
私もModularAvatar対応ツールをたくさん活用していますが、衣装の着せ替えに関しては、「Radial Inventory System」に代わる非破壊的なツールがなかなか見つからず、ちょっとモヤモヤしていました…。
そんな中、新しく登場した lilycalInventory のおかげで、ついにModularAvatarに完全対応した着せ替えツールに移行することができました!
そこで今回は、この便利な lilycalInventory を使った衣装の着せ替え方法を、詳しくご紹介していきます!
目次
lilycalInventoryとは?
lilycalInventory は、アバターのデータを直接いじる必要がなく、コンポーネントを追加するだけで自動的にメニューが作成できる非破壊的なインベントリーシステムです。
このツールを使えば、衣装の着せ替えはもちろんのこと、アクセサリーや小物の出し入れ、アバターの明るさ調整、体型の変更まで、あらゆる改変作業が超簡単に行えます!
まさに「魔法のインベントリーシステム」と謳っているだけあって、専門的な知識がなくても直感的にアバターをカスタマイズできる、今のぶいちゃ民には欠かせないマストツールだと言えますね!

ちなみに、制作はあの「lilToonシェーダー」でおなじみの lilさんです!
VRChatユーザーなら一度はお世話になっている方なので、安心して使えますね。
「lilycalInventory」のここがすごい!!
非破壊だから安心!レイヤーを壊さない設計
lilycalInventory の魅力は、なんといっても非破壊的であること!
各衣装やアイテムにコンポーネントを追加するだけで動作するため、アバターのFXレイヤーを壊す心配が一切ありません。
さらに、コンポーネントを削除するだけで改変前の状態に即戻せるのも大きなポイントで、アバターの標準アニメーションを変更することもないので気軽に導入できます。
面倒な設定はゼロ!アニメーションやパラメーターは自動生成
lilycal Inventoryは、ModularAvatarに完全対応!
アニメーションやメニュー、パラメーターの設定を手動で行う必要がなく、設定はアップロード時にすべて自動生成されるので、とにかく楽チンなんですよね!
また、アセットを余計に生成しないため、プロジェクト内がごちゃごちゃする心配もなし!
安全性バッチリ!同期の不具合も安心設計
VRChatでたまに聞く同期周りのトラブル…。といった場合でも、lilycalInventoryなら大丈夫!
全パラメーターがオフの状態での見た目がPrefabの状態と一致するように設計されているため、たとえ衣装がすべてオフになった場合でも、服が脱げてしまうといった事故を防ぐことができて安心して使えます。
導入方法
導入方法について、当ブログでご紹介するよりも公式ドキュメントがあまりにも詳しく書かれているので、こちらをご参照頂くのがいいと思います。
この記事では、私がこのツールをどのように活用しているか、具体的な使い方をご紹介していきますので、実際の運用例として参考にしていただければ嬉しいです。
衣装を切り替える場合
インストールが完了したら、いよいよ実際に衣装を切り替える方法を解説していきます!
1.衣装Prefabを配置する

まず、着せ替えに使用したい衣装のPrefabをすべてアバターの直下に配置します。
このとき、すべての衣装を右クリックして「ModularAvatar → Setup Outfit
」を適用しておきます。
2.LI AutoDresserコンポーネントを追加

切り替えたい衣装をすべて選択し、右側のInspector欄から「Add Component
」をクリックし、LI AutoDresser
コンポーネントを追加します。
さらに、このときにデフォルトで表示したい衣装だけ「オン」にしておくと、その衣装がデフォルト表示されるようになります。
基本的にはこれだけでOKですが、例えば素体が衣装に干渉してしまう場合などは、『BlendShapeの切り替え
』に素体のBodyを追加して、干渉する部位のシェイプキーを絞ったり、干渉するオブジェクトがある場合は『オブジェクトのオンオフ
』から非表示にしたりと細かな調整を行います。
3.親フォルダーで整理する

そのままの状態だと、アクションメニュー内がごちゃごちゃして見栄えが悪くなるので、衣装の親ルートとして「衣装
」というGameObjectを作成し、その中に各衣装を収納するのがおすすめです。
親フォルダーを追加したい場合は、親にしたいオブジェクトを選択してLI MenuFolder
コンポーネントを追加します。
動作確認
設定が完了したら、いよいよ実際に動作をチェックしてみましょう!
GestureManagerで簡単に確認
動作チェックには、Packages内にある「GestureManager」を使用すると、とても手軽で便利です。
こちらを使ってシーンを再生し、実際に衣装が問題なく切り替わるかどうか確認してみてください。
無事に衣装の切り替えができていれば設定は完了です!
あとは通常通りアバターをアップロードしましょう!
特定のメッシュや小物を個別にオンオフしたい場合
この他にも、例えば「アウターだけを脱ぎたい」「バッグだけを外したい」といった細かい調整をしたい場合は、オンオフしたいオブジェクトを選択してLI Prop
コンポーネントを追加します。

また、こちらについてもLI AutoDresser
と同様に、別のオブジェクトのオンオフ、BlendShapeの切り替えも同時に設定できるため、例えば重ね着などで貫通防止用のシェイプキーがある場合は同時にオフにしたりと細かな調整が可能です。
こうした細かい調整が可能なのも、lilycalInventoryの魅力ですね!
一つのアバターに複数の衣装を入れることでシームレスに衣装の切り替えができるようになりますが、当然ながらその分アバターの容量は重くなります。
他人の描画負担になったり、容量制限に引っかかってフォールバックアバターで表示されていまうケースもあるため、節度を持って計画的に使用しましょう!
こんにちは!桜乃こはくです!