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周辺機器メーカーのAnkerから、Quest 2 向けの超低遅延ワイヤレスイヤホン「Soundcore VR P10」が発売となりました!
こちらは私が前々から目を付けていた商品で、完全ワイヤレスイヤホンでありながらUSB-C対応の無線ドングルが付属されており、2.4GHzワイヤレス通信によってわずか30msという超低遅延でゲーム音声を聞くことができるプレミアムな無線イヤホンです!
また、Bluetooth5.2のダブル接続により、スマホと2台同時接続でゲーム音を聞きながらボイスチャットや通話を楽しむこともできます。
その他にもドングルを付けたままQuest 2へのパススルー充電や、連続6時間再生、ケース込みで24時間使用可能なロングバッテリー搭載など、VRユーザーとしては嬉しい機能がてんこもり!
そんな「Anker Soundcore VR P10」を今回は購入してみましたので、使用感をレビューしていこうと思います!
「有線だとケーブルが邪魔だけど、ワイヤレスは遅延が気になっていた…」という方に、とにかく刺さりまくるイヤホンだと思います!
仕様
重さ | 約 5g (イヤホン本体 片耳) 約 63g (イヤホン本体 + 充電ケース) |
防水規格 | IPX4 |
通信規格 | Bluetooth 5.2,USB-Cドングル |
充電端子 | USB Type-C |
Bluetoothプロファイル | A2DP,AVRCP,HFP |
対応コーデック | AAC / SBC / LC3 (USB-C ドングル接続時のみ) |
人間には感知できない30msという圧倒的な低遅延!
「VR P10」と一般的な完全ワイヤレスイヤホンとの大きな違いは、やはり“USB-Cの無線ドングル”を使った超低遅延でVRゲームがプレイできることでしょう。
特に「Beat Saber」を始めとしたタイミングがシビアな音ゲーにおいては、他のBluetoothイヤホンを凌駕する圧倒的な低遅延により、ノーツのズレをまったく体感しないレベルの快適性が実現されています!
ちなみに、レイテンシーが30ms(0.03秒)というのは、「人間が体感で感知できないレベルの遅延」だそうです!
また、無線ドングルにはVRヘッドセットに急速充電ができるパススルー充電に対応しており、充電の度にドングルの付け外しをする必要がなく、普段の利便性が低下する心配もありません。
“Quest Link”や”Air Link”を使ってPCVRをプレイする際には、ドングル側をPCのUSB-Cポートにセットすることで、「VR P10」から音声を流しながらQuest 2の内蔵マイクを使うことも可能です。
また、『USBオーディオ』に対応している機種であれば、PICO 4やUSB-C対応のスマートフォン、Nintendo Switchなどのマルチデバイスで音ズレを気にせずにゲームをプレイすることもできます!
Quest 2以外のデバイスでの使用感は記事の後半でご紹介しています!
外観&付属品
こちらが「Soundcore VR P10」のパッケージです。
このイヤホンは、世界初のMeta公認の証でもある【Made for Meta】に認定された完全ワイヤレスゲーミングイヤホンとなっており、右上にしっかりとロゴがプリントされています。
Anker製品というブランドイメージと24ヶ月の長期保証に加えて、Meta公認という信頼感は他のどの製品に対しても決して引けを取らない点も心強いですね!
充電ケースは楕円の卵型をしており、角がなく肌触りもスベスベでしっかり手に馴染む感じです。
全体のフォルムは丸くても底面は平坦になっているため、机に置いても勝手に転がってしまうといった心配はありません。
大きさ自体はAirPodsよりも一回り大きい感じで、最近の完全ワイヤレスイヤホンと比べると少々野暮ったい印象を受けるかも?
裏面にはBluetooth接続時に使用するペアリングボタンが配置されています。
こちらは無線ドングルを使用せずにBluetoothで音声を流したい場合や、スマホと二台同時接続でボイスチャットを楽しみたい場合に使用するものなので、無線ドングルだけを使用する場合には押す必要はありません。
ただし、普通のBluetoothイヤホンとして使用する場合はペアリングが必要です。
- Soundcore VR P10(本体)
- 充電ケース
- USB-Cドングル
- イヤーチップ(S/M/L)
- USB-A to C充電ケーブル
- クイックスタートガイド
付属品については一般的な完全ワイヤレスイヤホンとほぼ同じですが、唯一の違いはやはり”USB-C無線ドングル”が付属していることでしょう。
USB-C接続可能な無線ドングルは小指の先程度の大きさしかなく、非常に小型です。
表面にはパススルー充電用のUSB-C端子が見えますが、こちらはデータ通信には対応していないため、あくまでも接続先のデバイスを充電するためのものですね。
なお、ペアリングの際には先端のLEDが紫色に点灯します。
ちなみに、こちらの無線ドングルは充電ケース内に収納することができるため、イヤホンと一緒に持ち運ぶことができるようになっています。
ドングルは小さく油断していると無くしてしまう可能性が高いため、このようにケースと一緒に収納しておけるのは凄く便利ですね!
イヤホンを収納した状態だとドングルだけを取り出すのは少しやりにくい為、先にイヤホンを取り外してからドングルを取り外すのが想定された使い方のようです。
充電ケースの真ん中の部分はインジケータになっており、電池残量やペアリング状態などを確認できるようになっています。
一見するとボタンのように見えますが、押すことはできません。
ケース底面にはUSB-C充電端子があります。
イヤホン本体にはペアリング状態やステータスが分かるLEDが搭載されており、ゲーミングらしく雰囲気を演出してくれるギミックが付いていました。
ただし、装着者にはまったく見えないため、バッテリー持ちを良くしたり外出でも使用した方はアプリ側から無効にしておくことをオススメします。
なお、イヤホンの上部をタップすることで再生停止、ボリュームの強弱、音声アシスタントの起動などの操作にも対応しています。
アプリで設定できる項目については下記でご紹介します!
専用アプリ「Soundcore」できること
“Soundcore VR P10″にはAnker公式から専用アプリ「Soundcore」が用意されており、アプリ内からLEDカラーの変更、イコライザー、タッチによる操作のカスタマイズが可能です。
LEDは点滅モード、点灯モード、省電力モード(OFF)から選択可能で、かなり自由にカスタマイズできる感じ。イコライザーは20Hz~6.9KHzの間で8バンドを使って好みのプリセットに設定できます。
コントロール項目では、イヤホンを1回タップ、2回タップ、2秒間長押しした際のアクションを再生コントロール、ボリューム調整、音声アシスタント、スーパーヒアリング、マイクミュートから設定可能です。
銃声や足音を強調するFPSゲームに特化した特殊なイコライザーです。
音質や装着感について
音質については、価格帯に見合っただけのクリアで聞きやすい音質です。
音の傾向はフラット~やや低音寄りのため、VRゲームでは爆発音や銃声など迫力のある音を鳴らしてくれます。癖がないので音楽視聴用としても十分実用することが出来ますし、装着感が”Air Pods Pro”に非常に近いため、耳への固定感や長時間つけていても違和感があまりないのも嬉しいポイントでした。
ソニー等の上位機種に比べると音の繊細さではどうしても見劣りしてしまいますが、聴き比べたりオーディオマニアでもない限りは特に不満が出る音質ではないと思います。(音の好みはイコライザーである程度弄れるので大丈夫!)
サ行が刺さったりすることもなく、癖がなくて聞きやすい音質でした!
マイク音質について
マイクの音質については、動画を撮ってみましたのでまずはこちらをお聞きください。
聞いて頂くと分かるとおり、マイクの音質についてはかなり絶望的なのでDiscord等のボイスチャット等で使用するのはあまりオススメしません…。
というのも、”VR P10″のマイクは“ビームフォーミングマイク”というもので、方向が定まらない音源に対して声を拾う技術を仕組みを採用しているため、どうしても雑音を多く拾ってしまう傾向があります。
また、マイクと口の距離が物理的に離れていることで音声に対する輪郭が不鮮明になりがちで、ボヤボヤと締まりのない声になってしまいます。
Quest 2で”VR P10″を使おうと考えている方は、イヤホン側にはゲーム音声のみを出力して、マイクは素直にQuest 2の内蔵マイクを使いましょう!
Discordの通話に参加したフレンドさんからの評価としては
「戦後のラジオみたい」
「ハッシュ◯ーかな?」
「こはこはを返して」
などと散々なものでした。
PCと繋いで「Quest Link」や「Air Link」が使える!
VRChatなどSteamVRをPCと接続してプレイできる”Quest Link”や”Air Link”を使用する場合、
無線ドングルはPC側のUSBポートに接続します。
すると、オーディオデバイスの欄に「VR P10 Dongle」が追加されますので、Windowsの音声出力先をこちらに設定しましょう。
あとはQuest 2側から音声出力先をWindowsに設定すれば、SteamVR側の音声がイヤホンから聞こえてくるようになります。
こちらも無線ドングルを通した低遅延音声のため、PC版のVRChatをQuest 2で遊んでいる方にとっても十分買う価値のある製品だと感じました。
“VALVE INDEX”等のPC用のVRヘッドセットで使用したい場合も、同様にPCのUSBポートに接続して音声出力先を「VR P10 Dongle」に指定することで、音声が聴こえてくるようになります。
これは、通常のPC音声を聞いたり非VRのゲームでも使用できます。
PICO 4でも問題なく使用できる!
“VR P10″はMeta認定品ではありますが、PICO 4でも問題なく使用することができます。
ただし、取り付ける際はLEDが点灯する方を前方にしておかないとヘッドバンドが若干干渉しますのでその点だけご注意を。
ストリーミングアシストを使ってPCVRで使用する際にも、Quest 2と同様の手順でPICO 4でも無線ドングルが使用できます。
パススルー充電にもしっかり対応しています。
スマホで『音ゲー』をする方にも超オススメ!
“VR P10″は、スマホで音ゲーをしている方にもかなりオススメです!
こちらの無線ドングルは遅延が30msと、低レイテンシーでおなじみのBluetoothコーデック「apt-X LL」の40msよりもさらに低遅延のため、有線イヤホンとほぼ同じ感覚で使用することが可能です。
試しに音ゲーの中でも判定がシビアな「バンドリ」をプレイしてみましたが、音に合わせてノーツを叩いてもしっかりとPERFECT判定を出すことができました。
apt-X LL対応の完全ワイヤレスイヤホンは2万~3万円程する製品も多く、スマホで音楽やゲームをプレイする方にとっても利用価値の大きい製品だと思います。
パススルー充電にも対応しており、スマホで音ゲーをやる方にも超低遅延のBluetoothイヤホン代わりに使えます!
ニンテンドースイッチ等のゲーム機でも使用可能!
“VR P10″は「USBオーディオ」に対応したデバイスであれば使用できるため、例えばニンテンドースイッチなどのゲーム機でもUSB-C端子に挿すだけで簡単に使うことができます。
特にニンテンドースイッチで使用する場合、スイッチ本体のBluetooth機能がかなり貧弱で実用性がほぼ無いため、”VR P10″の無線ドングルを使用する価値は非常に大きいです!
ドックで使用する場合でも、別途で変換アダプターを用意すれば問題なく使用できます。
同様に、PS5でも「3Dオーディオ対応のUSBオーディオ」として使用することが可能です。
もはやVR関係ないけど、どうせみんなゲーマーだから知っていて損はないでしょ!(偏見)
2台同時接続での通話について
“VR P10″は無線ドングル接続とBluetooth接続の「2台同時接続」に対応しており、Quest 2やゲーム機などの音声を無線ドングルで聞きながら、同時にスマホ用のボイスチャットアプリで通話することが可能です。
ただし、その場合は無線ドングルで再生された音声をBluetoothに載せるため、通話をしながらだと音質の低下と大幅な遅延が発生します。(Bluetoothの音声コーデックに依存します)
このため、低遅延でゲームをやりながら通話もしたいという方にとっては、2台同時接続での通話はあまり実用的ではなさそうです…。
そもそも”VR P10″のマイク音質が壊滅的なので通話に関しては期待しないほうが良さそうかも…。
VR用だけでなくオールマイティーに戦える銘機!
今回は、VR向けの超低遅延の完全ワイヤレスイヤホン『Anker Soundcore VR P10』をQuest 2、PICO 4、パソコン、スマートフォン、ゲーム機での使用感をお伝えしてきました。
総評としては、遅延は体感でほぼ感じることがない優等生といったところで、クリアかつ癖がない音質に加えて、装着感も”Air Pods Pro”寄りで悪くありません。
バッテリー持ちに関しても6時間とVRを長時間遊ぶユーザーにも十分受け入れられる容量もありますし、10分の充電で1時間、ケース込みで24時間使えるのは通常のワイヤレスイヤホンとしても使いやすい設計ではないでしょうか。
ただし、マイク音質に関してはかなり絶望的なため、通話目的というよりは遅延がないワイヤレスイヤホンが欲しいという方に刺さる製品だと感じました。
VR用のワイヤレスイヤホンを探していたけど、遅延が気になってなかなか手が伸びなかった方は、ぜひ一度『Anker Soundcore VR P10』を試してみてくださいね!
こはく的レビュー評価としては
満点評価です!
こんにちは!桜乃こはくです!